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「UNIVERSAL AUDIO Apollo X4」製品レビュー:4基のUnison対応プリを積む12イン/18アウトのオーディオI/O

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最上位機種のAD/DA部を踏襲 モニターのダイナミック・レンジは127dB

 Apollo X4はラック・タイプのApollo Xと同じく製品名に“Twin”が付きませんが、Apollo Twin Xに似たデザインとなっています。Apollo Twin Xより入出力が多い分、横に大きいですね。またApollo Twin MKIIより筐体の色が薄く、スペース・グレイのMacとの統一感が美しくなりました。   [caption id="attachment_83325" align="aligncenter" width="650"]▲フロントにはインストゥルメント・イン(フォーン)とヘッドフォン・アウト(ステレオ・フォーン)がそれぞれ2つずつ用意されている ▲フロントにはインストゥルメント・イン(フォーン)とヘッドフォン・アウト(ステレオ・フォーン)がそれぞれ2つずつ用意されている[/caption]  まずはアナログ入出力から見てみましょう。入力はUnison機能対応のプリアンプを搭載した4つのマイク/ライン・イン(XLR/TRSフォーン・コンボ)を搭載。入力1/2はフロントに搭載されているHi-Z入力も使えます。出力はモニター・アウトL/Rと4つのライン・アウト、2つのヘッドフォン・アウト(TRSフォーン)を完備。デジタル入出力に関しては、ADATの8ch、およびS/PDIFによる2ch入出力が可能です。そしてUAD-2プラグインを使用するためのSHARCプロセッサーは、4基搭載されています。   [caption id="attachment_83326" align="aligncenter" width="650"]▲リア・パネル左端には、オプティカル入出力(ADAT&S/P DIF)がスタンバイ。その右にはライン・アウト(TRSフォーン)×4、モニター・アウトL/R(TRSフォーン)というアナログ出力が続き、さらに右側にはマイク/ライン・イン(XLR/TRSフォーン・コンボ)×4が搭載されている ▲リア・パネル左端には、オプティカル入出力(ADAT&S/P DIF)がスタンバイ。その右にはライン・アウト(TRSフォーン)×4、モニター・アウトL/R(TRSフォーン)というアナログ出力が続き、さらに右側にはマイク/ライン・イン(XLR/TRSフォーン・コンボ)×4が搭載されている[/caption]  Apollo X4のポイントはAD/DA部。Apollo Twin Xと同じく、ラック・タイプのApollo Xとほぼ同じ仕様になったとのこと。つまり出音と録り音が進化したということです。Apollo X4のダイナミック・レンジをApollo Twin MKIIと比べると、マイク・インは121dBから123dBに、モニター・アウトは115dBから127dBに向上。そのほか最大入力レベルや出力インピーダンスなど、多くのスペックが強化されています。  トップ・パネルで操作できるトークバックやハイパス・フィルターなどの機能は、Apollo Twin Xと同様です。電源部もおなじみ、回してロックするタイプのACアダプター。しっかりロックしないと外れてしまうので注意しましょう。  

高域が伸びたモニター・アウトとプリ部 密度が高くなったヘッドフォン・アウト

 それでは実際に使用してみます。まずはモニター・アウトから。Apollo Twin MKⅡに比べるとハイが伸びていて、奇麗なサウンドです。ハイが伸びた一方でローが減ったということもなく、従来機から確かな進化を感じます。スタジオ常設のAVID HD I/Oとも聴き比べてみましたが、複数人でブラインド・テストをすると意見が割れるくらい高品位なサウンドでした。実際にApollo X4のモニター・アウトでミックスしてみたところ、Apollo Twin MKⅡよりも細かなところまで音が見えて、仕上がりも良くなったように思います。ちなみにApollo X4とApollo Twin Xは、ほぼ同じサウンドに感じました。  僕はスタジオでミックスをする際、オーディオI/Oからミキサーやモニター・コントローラーに“ミックスするための出力”と“リファレンスを聴くための出力”を立ち上げていて、ときどき切り替えることで耳をリセットさせています。ライン・アウトがステレオ1系統しかないApollo Twin Xの場合は、どちらかの出力でモニター・アウトを使うことになるので、その出力は本体のボリュームをかんでしまいます。しかしApollo X4ではライン・アウト1/2をミックス用、ライン・アウト3/4をリファンレンス用の出力にすることで、本体のボリュームをかまないようにできます。微細ながらもうれしいポイントです。  続いてヘッドフォン・アウト。少しハイ上がりな気がしていたApollo Twin MKⅡと比べると密度が高くなり、モニター・アウトの変化とは逆方向の変化だと思いました。大きめな音量で聴いても耳が痛くないし、ローの判断がしやすい。ヘッドフォンを2つ挿せるのも何かと重宝しそうです。こちらもApollo Twin Xと違いは無いはず……と思って聴き比べてみると、若干Apollo X4の方が余裕があるように感じました。これは僕の気のせいでしょうか? 皆さまの意見も聞かせていただきたいところです。  そしてプリアンプ。テストで録音したのはピアノと男女のボーカル。Apollo X4で録ったサウンドは、Apollo Twin MKⅡよりもハイが伸びていて周波数レンジが広く聴こえます。これはモニター・アウトと同じ方向の変化と言えるでしょう。Apollo X4はプリアンプが4系統備わっているので、その気になればバンドの同時録音もできます。このサイズ感で考えるとすごいことです。  全体的に従来機からとても良い方向に進化していると思いました。可搬性に優れつつも、Apollo Twin Xよりラック・タイプのApollo Xに近い使い方ができます。Apollo Twin XとApollo X4は音と機能にほとんど差は無いので、用途に応じて選ぶとよいでしょう。   (サウンド&レコーディング・マガジン 2020年2月号より)

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