プリアンプを内蔵したヘッドフォン端子
MIDI IN&OUTも新たに装備
IRig Pro I/Oには、初代IRig Proでは無かったヘッドフォン端子が装備されました。これはヘッドフォン端子が廃止されたiPhone 7に対応させたためだと思われます。プリアンプを内蔵し、ボリューム・ホイールも用意。筆者のiPhone 6 Plusのヘッドフォン出力と比べたところ、内蔵アンプのおかげでIRig Pro I/Oの方がレベルを大きくでき、音もがっちりとした印象です。また、IRig Pro I/Oは24ビット/96kHzに対応しました。正確には初代IRig Proもファームウェアのアップデートで実現しましたが、IRig Pro I/Oは最初から対応しています。
MIDIについても、初代IRig ProはINのみでしたが、IRig Pro I/OはOUTにも対応して、MIDIデバイスを使った音楽制作の可能性が広がりました。ほかにも、別売りのACアタプターIRig PSU 3Aを使うことにより、iP
hone/iPadなどに電源供給をすることができます。これでライブなどでもiPhoneなどのバッテリー残量を気にせず使用することが可能ですね。IRig Pro I/Oはコンピューター接続用のUSBケーブル、iOSデバイス接続用のL
ightningケーブル、MIDIケーブル×2本が付属しています。さらに別売りのMicro USBケーブルを使えば、Androidデバイスとも接続可能です。
解像度が高く落ち着いた印象の音
付属する豊富なソフトウェアも魅力
実際にマイクやギターをつないでみて、筆者の持っているオーディオ・インターフェースと音を比べてみます。まずは定番のダイナミック・マイクで試したところ、手持ちのデスクトップ用オーディオ・インターフェースと比べてもそんしょくが無い音。中域の密度が高く、落ち着いた音ですね。次にコンデンサー・マイクをつなげてみます。96kHz対応なので解像度が高く、落ち着いた中でもくっきりと聴こえる印象でした。続けてギターをつないでみると、すっきりとした音で少し低域が物足りない気もしましたが、アンプ・シミュレーターなどを使ったときのエフェクトのノリが良かったです。マイクプリが素晴らしく、マイクでもギターでもクセの無い素直な音で、筆者もDAWシステムの入力用として1台欲しくなりました。
IRig Pro I/Oの魅力の一つとして、付属するソフトウェアの豊富さが挙げられます。ユーザー登録を行うことで、Amplitube 4 For Mac/PC、 SampleTank 3 SE、T-Racks Deluxe、Mic Roomが使用可能になり、フリーで使えるiOSアプリAmplitube CS For iOSの機能制限が解除され、フル・バージョンが手に入ります。少し紹介をしましょう。Amplitube 4はギター/ベース・エフェクト&アンプ・モデリングの人気ソフト。アンプやキャビネット、誰もが知っているストンプ・エフェクト、ラック・エフェクトなどを搭載しており、ギタリスト/ベーシストなら思わずニヤッとしてしまう機能が満載です。さらに、8トラックのオーディオ録音機能も内蔵しているので、このソフトウェアとIRig Pro I/Oだけで簡単な音楽制作ができてしまいます。
IRig Pro I/Oはステレオ入力が無く、出力もヘッドフォン・アウトのみなので、メインのDAWシステムのオーディオ・インターフェースとして使うには少し工夫が必要かもしれません。しかし、サブのオーディオ・インターフェースとしてノート・パソコンのDAWシステムで使ったり、iPhoneやiPadとIRig Pro I/Oを持って行って外出先でボーカルのレコーディングを行ったり、MIDIインターフェースとしてiOSデバイスの音源を鳴らしたり、そのコンパクトさを生かした使い道はかなり多く、音楽制作において便利なアイテムになるでしょう。
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![▲本体右側面には初代IRig Proには無かったヘッドフォン端子(ステレオ・ミニ)を装備。ボリューム・ホイールで音量の調整が行える]()
▲本体右側面には初代IRig Proには無かったヘッドフォン端子(ステレオ・ミニ)を装備。ボリューム・ホイールで音量の調整が行える[/caption]
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![▲本体左側面にはMIDI IN&OUT(専用ケーブルで接続)を用意。MIDIキーボードや音源モジュールなどを接続して演奏が行える。MIDI IN&OUTの右側には48Vファンタム電源のオン/オフがある]()
▲本体左側面にはMIDI IN&OUT(専用ケーブルで接続)を用意。MIDIキーボードや音源モジュールなどを接続して演奏が行える。MIDI IN&OUTの右側には48Vファンタム電源のオン/オフがある[/caption]
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![▲本体上面にあるDIN端子を使って、iOSデバイスやコンピューターと接続する(写真左側)。写真右側の端子は別売りのACアダプター用DC INだ]()
▲本体上面にあるDIN端子を使って、iOSデバイスやコンピューターと接続する(写真左側)。写真右側の端子は別売りのACアダプター用DC INだ[/caption]
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![▲本体下面には、48Vファンタム電源供給に対応するXLR/フォーン・コンボを備える]()
▲本体下面には、48Vファンタム電源供給に対応するXLR/フォーン・コンボを備える[/caption]
撮影:川村容一
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(
サウンド&レコーディング・マガジン 2017年9月号より)