ギター・アンプは古くからあるものですが、Bias Headは“全く新しいアンプ”なのです
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![写真左がロバート・マッキュラー氏、右がジョン・チャン氏]()
写真左がロバート・マッキュラー氏、右がジョン・チャン氏[/caption]
ソフトとハードが完全に連動しているのがBias Headの強み
−−POSITIVE GRIDがハードウェアに進出したのには、どのような理由があるのでしょうか?
マッキュラー 私たちはiOSアプリ開発からスタートした会社で、ギター・アンプ&エフェクト・シミュレーターを軸としたJamUpシリーズで世に知られるようになりました。そのため、資金的にも人員的にも増強でき、Mac/Windowsやハードウェアへの展開を計画してきたのです。現在も既に2018〜2019年にリリースする製品の計画があります。多くのスタートアップと同じように、スタンフォードの学生たちがアプリの開発を始めたのがPOSITIVE GRIDのスタートなので、いつ会社としてスタートしたかははっきりと分からないんです。現在も本社はアメリカにありますが、スタッフはヨーロッパやアジアなど、世界各地で働いているのが実情ですね。
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![iOSアプリのJamUp Pro XT。モデリングによるギター・アンプ/エフェクトの再現に加え、8trレコーダーやフレーズ・サンプラー、iTunesに収録済みの楽曲を使ってのプレイなどが行える。無償版のJamUpもあり]()
iOSアプリのJamUp Pro XT。モデリングによるギター・アンプ/エフェクトの再現に加え、8trレコーダーやフレーズ・サンプラー、iTunesに収録済みの楽曲を使ってのプレイなどが行える。無償版のJamUpもあり[/caption]
−−コスモポリタン的な企業風土なのですね。モデリングのギター・アンプはさまざまな製品が出ていますが、Bias Headが他の製品と違うところはどこにあるのでしょうか?
マッキュラー たくさんあります(笑)。私たちはBias Headを新しいジャンルの製品だとカテゴライズしています。もちろんギター・アンプそのものはずっと昔からあるものですが、Bias Headは全く新しいアンプなのです。そしてそういうものこそ弊社の作るべき製品だと考えています。まず第一に、簡単です。Bias Headはプラグを挿してすぐに演奏できます。難しい階層メニューはありません。本体での音の調整はノブを回すだけですし、入力から出力まで、左から右へ順に並んでいます。ギタリストは直感的なインスピレーションを大事にしている人が多いので、ユーザーには難しいことを考えず、ギターの演奏に没頭してほしいという思いからこうなっています。コンピューターやiOSデバイスで細かなエディットもできますが、単体として考えると極めてシンプルです。
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![Bias Head(写真左)とBias Head Processor(右)。Bias Headには600W(8Ω)のクラスDパワー・アンプを搭載する。両機の違いはパワー・アンプの有無と、それに伴うキャビネット・アウトの有無のみ]()
Bias Head(写真左)とBias Head Processor(右)。Bias Headには600W(8Ω)のクラスDパワー・アンプを搭載する。両機の違いはパワー・アンプの有無と、それに伴うキャビネット・アウトの有無のみ[/caption]
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![Bias Rack(写真上)とBias Rack Processor(下)。それぞれBias HeadとBias Head Processorを2Uラック・サイズに収めたもので、機能は変わらない]()
Bias Rack(写真上)とBias Rack Processor(下)。それぞれBias HeadとBias Head Processorを2Uラック・サイズに収めたもので、機能は変わらない[/caption]
−−そして、Mac/Windows/iOSのBias Ampがあれば、詳細なエディットも行えるわけですね。
マッキュラー ここもポイントですね。特にiOSデバイスとはBluetoothで接続できますから、USBでコンピューターとつなぐ必要もありません。弊社の調査では、プロ向けのアンプとしてこうしたBluetooth接続が可能なモデルはほかにないと思います。
チャン 付け加えるなら、我々のBias Ampソフトウェアは単なるライブラリアンではなく、それ自体がギター・アンプ・シミュレーターです。例えば自宅ではソフトを使って音を作り、スタジオにBias Headを持っていって鳴らすということもできます。コンピューターとモバイル、そしてアンプが完全に統合され、シームレスにつながっているのが弊社の強みですね。真空管タイプやトランスなどのパーツを、ソフト上で入れ替えて音色を作ることが可能です。内蔵プリセットは25種類ですが、自分で音を作らなくても、トーン・クラウドにはユーザーが作成した10万種以上のプリセットがあります。トーン・クラウドで面白いのは、音色のプレビュー段階でBias Headにその設定が自動的に送り、試奏できること。一般的には、その音色をダウンロードして、設定をソフトからハードに送って……という手順が必要ですが、Bias Amp/Bias Headシリーズの場合はそうしたわずらわしさとは無縁です。次々にプレビューして、気に入ったら保存すればいいんですから。
マッキュラー Bias AmpやBias Headは、トーン・クラウドから入手したプリセットに変更を加えられるのも特徴です。実在のギター・アンプからデータを取ってキャプチャーするようなタイプのものでは、こうしたパラメーターの変更ができないというものも多くありましたから。
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![Bias Amp(画面はiPad用)。Bias Headのライブラリアン/エディターとして機能するだけでなく、これ自体がアンプ・シミュレーターであることもPOSITIVE GRID製品の特徴。ソフトウェアで音色の作り込みをして、Bias Headに設定を送ることができる。ちなみにBias Head/Rackシリーズには、Mac/Windows版のBias Amp Desktop Proが付属する]()
Bias Amp(画面はiPad用)。Bias Headのライブラリアン/エディターとして機能するだけでなく、これ自体がアンプ・シミュレーターであることもPOSITIVE GRID製品の特徴。パラメーターを調整するだけでなく、真空管やトランスといったパーツを交換したり、キャビネット&マイク・モデリングを駆使して音色の作り込みが行える。こうして作成した音色設定を、Bias Headに送ることが可能だ。ちなみにBias Head/Rackシリーズには、Mac/Windows版のBias Amp Professional Desktop(単体価格25,741円+税)が付属する[/caption]
3年間かけて成長させたソフトをアンプとして投入
−−Bias Ampには実在のアンプをキャプチャーするAmp Match機能機能がありますが、真空管やトランスなどの回路/パーツ単位でモデリングしているはずのBias Ampでどうしてこういうことができるのか不思議に思っていました。実際は、近いサウンドのアンプ・モデルを元に、サウンドを近付けていく……実際のギター・アンプの回路パターンはある程度決まっているから、近似のものを当てはめて実現しているんですよね?
マッキュラー その通りですね。だからキャプチャーしたアンプからパラメーターで調整が可能なのです。アンプ全体をモデリングしてキャプチャーするタイプの製品では、こうしたことはできません。Bias Headの内部のソフト部分は、Bias Ampがそのまま入っています。Bias Ampは2013年にリリースし、アップデートを重ねてきたものです。既に3年間かけて熟成してきたソフトを使えたのは私たちの強みですね。同時に、Bias Headのハードウェアにはギターの特性を100%生かすようなパーツを採用しています。Bias Ampのソフトは今申し上げたように3年かけて今に至ったものですが、オーディオ・インターフェースはギターの入出力に特化したとは言い切れません。そこがハードウェアたるBias Headの利点と言えるでしょう。
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![Bias Headのリア・パネル。上段左から、ダイレクト・アウトL/R(XLR、フォーン)、ヘッドフォン(ステレオ・フォーン)、センド/リターン(フォーン)、下段左からスピーカー・アウト(フォーン)、MIDI IN/OUT/THRU、フット・スイッチ入力×2(フォーン)、コンピューターとの接続用のUSB端子、ワイアレス(Bluetoothのペアリング)。その右のUTILITYスイッチでは、キャビネット・シミュレートのオン/オフ(スピーカー・アウトではオフ、ダイレクト・アウトではオン、など)を設定することができる]()
Bias Headのリア・パネル。上段左から、ダイレクト・アウトL/R(XLR、フォーン)、ヘッドフォン(ステレオ・フォーン)、センド/リターン(フォーン)、下段左からスピーカー・アウト(フォーン)、MIDI IN/OUT/THRU、フット・スイッチ入力×2(フォーン)、コンピューターとの接続用のUSB端子、ワイアレス(Bluetoothのペアリング)。その右のUTILITYスイッチでは、キャビネット・シミュレートのオン/オフ(スピーカー・アウトではオフ、ダイレクト・アウトではオン、など)を設定することができる[/caption]
−−ちなみに、コンボ・アンプをリリースする予定は?
マッキュラー Bias Headは、プロがステージで使うものという前提で作りました。もちろんコンボ・アンプをステージで使っているギタリストもたくさんいますが、Bias Ampを持ち込んで、キャビネットや他のギター・アンプのパワー・アンプに入力して使うことを想定したものです。というわけで、コンボ・アンプのことは考えていませんでした。既に発表している範囲では、Bias Pedalから発展したディストーションのBias Distortionなどが今後の予定に入っているのですが、お客様からの希望が多ければ、コンボ・アンプの製作をする可能性もあります。ただ、現在の計画にはないというだけで、今後の可能性までは否定できませんね。
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![近日発売が予定されているBias Distortion。こちらもソフトウェアのBias Pedalのテクノロジーをハードに移植し、ソフトとハードが連携するものとなる予定]()
近日発売が予定されているBias Distortion。こちらもソフトウェアのBias Pedalのテクノロジーをハードに移植し、ソフトとハードが連携するものとなる予定[/caption]
■製品情報
POSITIVE GRID Bias Head(164,815円+税)
Bias Head Processor(119,444円+税)
POSITIVE GRID Bias Rack(164,815円+税)
Bias Rack Processor(119,444円+税)
![BIAS-Rack]()
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